第239号 インフラ活用の成否

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  第239号 発 行:株式会社船井総合研究所 
       事務局:TEL 03-6212-2951 小林 祐司 
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        今週のコンテンツ 

■ 今週のまちおこし─『 インフラ活用の成否 』 

■ 地域再生行脚100 -No.88-
   ~アートをビジネスとする~ 
         【河口湖アートガイアミュージアム】

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■ インフラ活用の成否

 こんにちは、小林です。香川県にいってきました。瀬
戸内海の島々や瀬戸大橋など、風景の美しさを飛行機の
窓越しに、子供みたく食い入る様に見ておりました。四
国は、この数年で高速自動車道の整備が進み、県をまた
いで集客できるまちも増えたようですが、道路・橋・ト
ンネルといった交通アクセス環境が変わることで、地域
の何が変わるのでしょうか?『 交通インフラが整えば
まちへの入込み客数が増加する 』。これが一番わかり
やすい影響です。ただ、これらについては、だいたい表
の話と裏の話があります。

【パターン1の表の話】
「昨年に空港が新しく整備されて、地元に来る観光客
 が増えました!」
【裏話】
「空港ができて観光客は増えましたが、飛行機のおか
 げで日帰りが可能となり、宿泊客は激減しました・・」

【パターン2の表の話】
「地元の長年の夢であった『高速道路の開通』。念願か
なって、この春から県外客が激増しました!」
【パターン2の裏話】
 「高速道路開通後、1~2年は訪れるお客様が増えま
したが、今は元に戻っています・・・。」

 と、こんな話、少し調査をすればだいたい同じような
ケースに出くわします。インフラが整うことは、本当に
いいのでしょうか、それとも好ましくない事でしょうか。

 言い切ってしまいますが、答えは『整ったほうが良い
ことが多い』です。行くのに不便だった場所が便利にな
れば、訪問客増加に関して言えばメリットに作用する事
がほとんどです。ただここで、知っておかねばならない
事があります。それは、『変化に合わせてやり方を変え
ること』です。道路ができたら・・・、トンネルが開通
したら・・・、橋がかかったら・・・、当然まちに来て
くださる方の対象エリアも変わります。対象エリアが変
われば、販促や広告の方法も変わります。最初は珍しさ
で一時的に訪問客が増えることもありますが、すぐにイ
ンフラ整備の効果は弱まってしまうので、ここを意識し
ないと「ぬか喜び」をする羽目になるはずです。

 「●●県が日帰り圏内になった」、「反対側のまちに
トンネルが開通したから、こっちの観光客が減った」。
もし、こんな外部環境が変わった状況でも、変化の前後
で集客や固定客化の仕掛けはあまり変わってないときっ
とまちに来る方は減っていきます。逆にインフラの変化
に合わせて、上手に観光客の呼び込み策をシフトさせれ
ば、大成功することだってあります。皆様のところはイ
ンフラ整備で客数は増加してますか、減ってますか?
 どちらにしても同じやり方のままならばインフラ整備の
効果がもったいないことになるはずです。(小林 祐司)

★トンネル開通から10年たってもきっちり集客を伸ば
 しているまちもあります。こちらのほうは頼もしい限
 りです。(^^) 
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○執筆者紹介 小林 祐司(こばやし ゆうじ) 

 船井総研入社以来、地域活性化、社会貢献をキーワー 
ドに業務活動を行う。自治体、民間企業を問わずにコン 
サルティングを続け、寝る間も惜しんで全国を奔走して 
いる。モットーは「コンサルタントは、業績上げてナン 
ボ!」。
◇━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◇ 

■ 地域再生行脚100 -No.88-
   ~アートをビジネスとする~ 
          【河口湖アートガイアミュージアム】

静寂とした館内に心地よい木槌の音が鳴り響く。そして落札
をしらせる声。

「本日の作品、××万円で落札です!!」

今回の行脚100は、河口湖で新しい試みに挑戦するアー
トガイアミュージアム、通称AGMについて杤尾がお伝え
します。

 ■ その想い : アートをビジネスに

河口湖の湖畔に静かにたたずむAGM。そこでは、毎月決
まった日に活況を迎えます。そうです。オークションが毎
月開催されるのです。

AGMの試みの面白さ。それは、壮大な試みを河口湖を舞
台として展開しようとしている点です。

AGMの目標、それは日本においては芸術をビジネスの領
域にまで高めていくということ。

日本における芸術、美術はどうしてもビジネスになりにく
い。それは
1.一般の人々が新しい芸術家作品に触れる機会が少ない。
2.美術にお金を払う経験がない。
3.一般の美術品は高いものときめつけてしまう。
それらの結果、新しい芸術家が育つ前に、あきらめてしま
うケースがおおいからだといわれます。

これにたいして、AGMは若手のアーティスト達をバック
アップし、かれらの作品をテーマに応じてオークションに
かけて販売することで
1.一般の人々が新しい芸術に触れる機会を増やす。
2.新しい美術に投資をし、芸術家を育てる感覚を持つ。
3. 安価にホンモノ美術品を購入できる機会を作る。
という手法をとっています。

 ■その手法 : 非現実を現実に

面白いのは、その手法、大きく分けるとAGMの魅力は
1.身近なオークション
2.テーマによる作品
3.ホンモノの美術
によって、芸術という非現実が現実になるからです。

第一に、オークションという非現実が現実になる点が面白
い!!美術品のオークション、というと

「何百万も支払わなきゃ!!!」

と普通は思いますよね。いえいえ、新しいアーティストの
場合は違います。それこそ、○万円代でも落札可能。
つまり、オークションがグッと近くになるのです。
自分が落札したときの達成感!!それはなかなか味わえる
ものではありません。

第二に面白いのはそのテーマ、例えば、先日は歌舞伎の信
長にあやかって信長をテーマとして作品を作成してもらい、
オークションを開催、大変盛況でした。
才能はあるけれども、まだまだ売れていないアーティスト
だからこそできる、そんな作品群が盛りだくさんでオーク
ションが開催されます。

そして、最後がやはり美術品。若いとはいえ、その芸術家
独自の才能がいかんなく発揮され、世界に一枚しかない美
術品を購入し、眺める時間はそれこそ至福のひと時となり
ます。

 ■ 想いを形に : 貴方の地域での展開事例

しかし、河口湖においてAGMがうまくいく理由は、彼ら
が上記のノウハウをもっているからじゃないかな、とみな
さん考えます。

それは、ある意味正しく、ある意味間違っています。
確かにAGMは高いノウハウを持っていますが、その想い
を共有することは必ずしも難しくはないはずです。私が訪
れた町にも地域でも、地域のクラフトマンを発掘し、育て、
世に送ろうとしている町がいくつもあります。

方法としてAGMはすばらしい。しかし大事な事は、地元
を巻き込み、芸術を育てよう という想いを強く持つこと
です。

皆さんもぜひ一度、地域の芸術家、クラフトマンを見渡し
てください。きっと世に出るような才能はそこには眠って
いるはずです。

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○執筆者紹介 杤尾 圭亮(とちお けいすけ)

 船井総研入社後、地域ブランド創造チームの創設する。
これまでに、多くの地域を行脚し、地域活性化の核をさが
し続け、多くの地域の活性化に携わっている。
現在は、特にPFIのアドバイザリー業務によって、地元
の、地元による、地元のための公共事業として、地域完結
型のPFIを提唱し、コンサルティング業務として進めて
いる。
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