第086号 些細なことにこそ

■ 些細なことにこそ 

 こんにちは、小林です。先週は日付け変更線を行き来していま 
した。普段から徹夜したりするせいか、時差ボケなるものはほと 
んどなく、飛行機の中は常に爆睡でした(喜んでよいのか・・・)。 

 さて、今回は日本を発つ前の成田空港での出来事をご紹介しま 
す。飛行機に乗る前にちょっとした用事でANAのお客様案内カ 
ウンターをたずねました。 

用事はすぐに終わり、離陸まで2時間ほどあったので、空港内を 
ブラブラしていましたが、後になってサービスカウンターにボー 
ルペンを忘れたことに気づきました。ただ、安価な普通のボール 
ペンだったので、「まぁ、いいか。」とそのままに。 

 その後、離陸時間が近づいたので搭乗ゲートに向かい、いよい 
よ飛行機に乗り込もうと、機体の入り口まで来たところで、ちょ 
っと離れた後ろから呼び止められました。 

振り向くと先ほど案内サービスで対応してくれた方が、空港警備 
員と一緒に走って近づいてきました。警備員が近づいてきたので、 
「何か怪しまれることでもしたかな?」と一瞬戸惑いましたが、 
次の瞬間言われたセリフは、「お客様。サービスカウンターにボ 
ールペンをお忘れではないですか?」でした。 

 そのときは、お礼を言って急ぎ飛行機に乗り込みました。その 
後ちょっと考えました。案内サービスカウンターは、広大な出発 
ロビーの端っこにあり、搭乗ゲートまでの距離は、200~300mあ 
ります。 

自慢になりませんがボールペンは高価なものでも何でもなく、自 
分自身も気づきながらそのままにしていたくらいのものなのです。 

別にそのままにしても誰も何も言わない状況の中で、案内サービ 
スの方は雑多な人ごみを抜け、はたして持ち主に届けられるかど 
うかもわからない状況の中、息を切らして届けてくれたのです。 
そのことを思うと感動すら覚えました。 

 まちおこしでも「感動」とい言葉はよく目にします。その場合、 
感動的な風景や歴史遺産といった具合に、特別に大掛かりですご 
いことをイメージしがちですが、今回の例のように些細なことで 
も人に感動を与える事だってあると思います。 

逆に些細なことだからこそ、「まさか!わざわざそんなことのた 
めに?」という意外性からより感動してもらえ、記憶に留まるこ 
ともあります。 

 まちおこしも、特別すごいことばかりを追い求めるのではなく、 
何気ないことの中に「えっ!わざわざありがとう!」と感動して 
もらえるようなこともあるはずなのです。ちょっとした些細で日 
常的なことにも、そんな可能性が秘められていると感じました。 
(小林) 

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○今回の執筆者紹介 小林 祐司(こばやし ゆうじ) 

 某建設コンサルタント会社にて地質調査を担当していたが、 
調査中に環境問題意識に目覚めて退職し、インドに渡る。 
 インドではNGOのボランティア活動を通じて食糧問題へ 
の関心が高まり、帰国後生協に入社、地域密着の生協活動を 
担当。 
その後退職して船井総研入社。現在週刊まちおこし編集長。

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