最近では、地域コミュニティーを活性化する手法として全国各地で地域通貨
(エコマネー)が導入されています。通貨のやりとりをコミュニティーの活性
化に役立てようという考え方です。本来の通貨と大きく異なる点は、使用でき
る地域が限定されることと、貯蓄する機能(利子を付ける等)を取り除き、通
貨の流通を促進させることを目的としている点です。
地域通貨を導入することの大きな効果は、1)通貨が流通するエリアを特定
することで、地域内の交流頻度・密接度を高められること、2)ボランティア
等に代表される、あいまいな存在である無形の地域サービスを、有形の通貨と
いう形に変換することで定着化・安定化させる働きがあることです。通貨の呼
び方も地域によって様々であり、すでに全国で40余りの地域通貨の存在が確
認できます。今回紹介する「COMO(コモ)」も地域通貨の一つです。
「COMO」とは東京西部に位置する多摩市を中心とした住宅街「多摩ニュー
タウン」で採用されている地域通貨です。試験期間から含めてすでに3年余り
の運用実績を持つ「COMO」は、多摩ニュータウンが抱える以下のような事
情背景から生まれたものです。
高度成長期の70年代に新興住宅街として建設されたこの地域は、成長期こ
そ若い入居者に恵まれましたが、その後の少子化や核家族化により、町の高齢
化が急激に進行したエリアです。私は学生時代をこの多摩ニュータウンで過ご
しましたが、町全体の高齢化は、ショッピングセンターの閉店や、公立学校の
閉鎖など、さまざまな形で目の前に現れました。このような状況下では、生活
力の弱い高齢者だけが取り残され、結果として町そのものが活力を失いゴース
トタウン化しかねません。そこでお互いに支え合うことのできる地域コミュニ
ティの仕組みづくりとして始められたのが地域通貨「COMO」の取り組みで
した。
この多摩ニュータウンの事例に限らず、他の地域では商店街のポイントカー
ドと連携させるなど、あらゆる試みが全国で試されています。今後も、まちお
こしの新たな手法の一つとして考えていきたいと思います。
(増島 清人)
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